技術情報

  • 健康食材の流通支援
  • 環境健康機能性評価
  • 新規環境健康産業

農産品

当社では、農作物の栄養機能性成分の評価とともに、それらの作物を生産する現場の環境評価を進めて参ります。今後の予定として高品質の農作物の流通のために、分析評価を取り入れられている優良生産者を御紹介していく予定です。

優良生産者の御紹介

※優良生産者のご紹介について
相場や既存取引などの問題によって生産者に悪影響を与える可能性がある場合、非公開としています。流通業者との関係で、生産者に不利益が生じるような取引が 生じないように調整をさせて頂くことになります。

参考文献

「好熱菌の発酵産物が作物の難病害を抑える」現代農業10月号(2013)

Ishikawa K, Ohmori T, Miyamoto H, Ito T, Kumagai Y, Sonoda M, Matsumoto J, Miyamoto H, Kodama H. (2013)
Denitrification in soil amended with thermophile-fermented compost suppresses nitrate accumulation in plants.
Applied Microbiology and Biotechnology 97(3): 1349-1359.

Niisawa C, Oka S, Kodama H, Hirai M, Kumagai Y, Mori K, Matsumoto J, Miyamoto H,Miyamoto H. (2008)
Microbial analysis of composted product of marine animal resources and isolation of antagonistic bacteria to plant pathogen from the compost.
Journal of General and Applied Microbiology 54(3): 149-158.

畜産品

当社では、生産環境を整えることによって、肉製品や卵製品の栄養機能性が変化する点に着目し、それらの機能性の評価を進めて参ります。

第一弾として、ノンメタポークの機能性について分析評価を進め、機能性畜産品の流通モデルの構築を進めております(文献参照)。
例えばノンメタポークと一般の豚肉との相違点は下表のようにまとめられます。
特に、ビタミンB1の含有量が増加する傾向にあり(下図参照)、1日に必要なビタミンB1を100g以下で摂取できるという特徴があります。
また、一般の牛肉に比べて、過酸化脂質が少ないため、脂身による美味しさが引き立ちます。普通の豚肉料理は、食用油を用いますが、ノンメタポークは、極く少ない食用油、もしくは、豚肉から出る脂(ラード)で調理して頂くことができるヘルシーな豚肉です。

このような特性によって、さまざまなヘルシーメニューに御活用いただけることがわかります。

  ノンメタポークと一般の豚肉の相違点 栄養機能性の視点
脂(あぶら)の量(赤肉中) 少ない カロリー少なめレシピへ
糖質代謝ビタミン(赤肉中) 多い 1日に最低必要なビタミンB1を豚肉100以下で摂取できる
その他 味付け少なめでもOK
しゃぶしゃぶの場合、アクが出にくい
減塩・低カロリー(減油・減脂)レシピへ
栄養が肉にとどまりやすい

豚肉のビタミンB1濃度と1日の必要摂取量との関係

豚肉のビタミンB1濃度と1日の必要摂取量との関係

  18~29才 30~49才 50~69才 70才以上
男性 推定平均必要量 1.2 1.2 1.1 0.8
推奨量 1.4 1.4 1.3 1
女性 推定平均必要量 0.9(妊婦1.0〜1.1) 0.7
推奨量 1.1(妊婦1.0〜1.2) 1 0.8

参考文献

「健康食材の新たな潮流-ノンメタポーク(低脂肪・高ビタミンB1豚肉)について」
 週間ホテルレストランHOTERES 4月18日号 48-49 (2014)

「次世代型の豚肉ブランド『ノンメタポークの開発』−消費者を味方につけるブランドイメージ−」
 養豚の友 6月号 54-57 (2013)

「高効率養豚経営のために−“豚ぷんの質”を診て豚の健康を守る-」
 養豚の友 10月号 487:43-47 (2009)

Toshiyuki Ito, Hirokuni Miyamoto, Yoshifumi Kumagai, Motoaki Udagawa, Toshihito Shinmyo, Kenichi Mori, Kazuo Ogawa, Hisashi Miyamoto and Hiroaki Kodama. (2016)
Thermophile-fermented compost extract as a possible feed additive to enhance fecundity in the laying hen and pig: modulation of gut metabolism.
Journal of Bioscience and Bioengineering
 121: 659-664.

Miyamoto H, Kodama H, Udagawa M, Mori K, Matsumoto J, Oosaki H, Oosaki T, Ishizeki M, Ishizeki D, Tanaka R, Matsushita T, Kurihara Y, Miyamoto H. (2012)
The oral administration of thermophile-fermented compost extract and its influence on stillbirths and growth rate of pre-weaning piglets.
Research in Veterinary Science 93: 137-142.

水産品

環境破壊を招かず自然に優しい養殖技術の普及が世界規模で必要とされている中で、当社の設立メンバーらは、生産者とともに新しい養殖技術の開発に取 り組んできました。

具体的には、高温下で発酵した新しい養殖用の飼料を用いた技術と環境共存型の陸上養殖技術(下図)を併用させることによって、水質汚染を防ぎながら 健康な魚を育成する技術を開発してきました。

今後、新しいブランド化によって社会貢献に努めたいと考えています。

ヒラメの肉質の改善効果の検証

環境共存型陸上養殖システム

参考文献

月刊養殖 2009年8月号「ヒラメ養殖における『好熱菌発酵産物』の飼料添加の効果」

Ryusuke Tanaka, Hirokuni Miyamoto, Shin-ichi Inoue, Kazuhiro Shigeta, Masakazu Kondo, Toshiyuki Itoh, Hiroaki Kodama, Hisashi Miyamoto,Teruo Matsushita. (2016)
Thermophile-fermented compost as a fish feed additive modulates lipid peroxidation and free amino acid contents in the muscle in the Carp, Cyprinus carpio.

 
Journal of Bioscience and Bioengineering 121: 530-535.

Tanaka R, Miyamoto H, Kodama H, Kawachi N, Udagawa M, Miyamoto H & Matsushita T. (2010)
Feed additives with thermophile-fermented compost enhance concentrations of free amino acids in the muscle of the flatfish Paralichthys olivaceus.

Journal of General and Applied Microbiology
56(1)
: 61-65.

新規環境健康産業

わたしたちは、次のような事業化の推進シーズを抱えています。

  1. 内臓脂肪蓄積軽減する新しい好熱菌の活用
  2. 低硝酸・高抗酸化作物の効率的な生産施設の普及
  3. 生分解性プラスチック原料のL型乳酸を生産する好熱菌の活用

以下、それぞれについて簡単に御説明いたします

内臓脂肪蓄積軽減する新しい好熱菌の活用

当社の設立メンバーは、内臓脂肪の蓄積を軽減し、脂肪代謝やアミノ酸代謝を調節する新しい好熱菌を発見しました。(下図・文献参照)
(千葉市産業振興財団・経済産業省戦略的基盤高度化支援事業による研究成果)

高脂肪食下のCTスキャン画像

モデル動物:Balb/c ♂

高脂肪食下のCTスキャン画像

Aは高脂肪食で、Bは、高脂肪食+好熱菌液の飲水投与で、それぞれ3ヶ月間、飼育したマウスのCTスキャン画像を示してます(測定機器:Latheta〈日立アロカメディカル社製〉)。
黄色の部位が皮下脂肪であり、紫色の部位が内臓脂肪を示しています。

これらの好熱菌群はいくつか存在し、宿主の腸内菌相をコントロールすることによって、腸内免疫や脂質代謝を調節している可能性が示唆されています(関連文献参照)。

今後、これらの研究を発展させて、ヒトへの応用などの研究成果を事業化していく予定でいます。

腸内の有用菌と好熱菌の相互作用(代謝系概念図)

腸内の有用菌と好熱菌の相互作用(代謝系概念図)

低硝酸・高抗酸化作物の効率的な生産施設の普及

弊社の設立メンバーは、作物中の硝酸濃度を減らし、抗酸化成分が豊富な作物を効率的に生産できる無農薬栽培方式に成功しています(文献参照)。
1年間を通じた栽培にはまだ難点があるため、年間のある一定時期での栽培のみ実施可能です。

今後、これらの問題点を克服し、通年栽培が可能なシステム構築を組み上げる事によって、多くの方々に高品質な農産品の普及を進めたいと考えてい ます。

高床式発酵土耕栽培方式

高床式発酵土耕栽培方式とは…

写真のように、腰の高さほどの栽培棚に好熱菌などで発酵させた土壌を施用する無農薬栽培方式です。
通常の水耕や露地栽培よりも、栄養価が高くなり、露地栽培とは異なり、季節変動の影響を受けにくく、栄養価のロット差が生じ難い栽培方式です。

下表に示したように、本栽培方式で収穫したネギの栄養価は抗酸化成分が豊富で、かつ硝酸濃度の低い良質なネギとなりました。

同時期にネギの特産地である露地栽培のサンプルと比較したところ、栄養価に大きな差異が生じていました。

分析項目 発酵土耕栽培ネギ 露地ネギ
ペータカロテン(㎍/100g) 1395 556
ビタミンA換算(㎍/100g) 744 296
ビタミンC((mg/100g) 127 79
硝酸(mg/100g) 44 115

尚、好熱菌よる作物中の硝酸濃度の低下には、農地から発生する温暖化ガスである一酸化二窒素の低減化が関与することが想定されています。
一酸化二窒素とは・・・二酸化炭素の約300倍の温暖化係数があり、約百年の滞留期間があることが近年、軽減化の必要性が世界的に叫ばれています。

生分解性プラスチック原料のL型乳酸を生産する好熱菌の活用

弊社の設立メンバーは、左図にあるように、好熱性微生物を用いて生分解性プラスチックの原料であるL型乳酸を高純度で生ゴミなどの食品廃棄物から生産可能な技術の研究を推進してまいりました(参考文献参照)。

高温下でのL型乳酸の生産、並びに生ゴミなどからの生産は、将来的に余熱利用や廃棄物利用の観点のみならず、生産工程における酵素反応の効率化においても重要です。

今後、食品業界や化学業界における応用が期待されています。


【関連文献】

国際特許出願番号:PCT/JP2011/52735
「好熱性微生物を用いた混合物、溶解液、及び医薬品」

国際特許出願番号:PCT/JP2013/67907
「土壌・水質汚染の改善、温暖化ガス発生抑制、並びに植物の機能性を向上させる微生物資材、及び発酵産物の製造方法」

特許第5017519号
「高品質の植物を自動栽培する小型装置、並びに、人間や水、光、及び音、電気信号、濃度勾配に反応する  植物栽培システム」

「好熱菌を活用した未利用資源の高温発酵リサイクル化技術」
バイオインダストリー 27: 20-25 (2010) 

平成21年・22年経済産業省・戦略的基盤技術高度化支援事業・関東経済産業局報告書

「宿主固有の腸内細菌叢を制御する好熱菌BP-863」
月刊「細胞」47: 36-37 (2015)

Yukihiro Tashiro, Shota Inokuchi, Pramod Poudel, Yuki Okugawa, Hirokuni Miyamoto, Hisashi Miyamoto, Kenji Sakai. (2016)
Novel pH control strategy for efficient production of optically active L-lactic acid from kitchen refuse using a mixed culture system. 

Bioresource Technology
 216: 52-59. 

Ayaka Nishida, Hirokuni Miyamoto, Sankichi Horiuchi, Ryo Watanabe, Hidetoshi Morita, Shinji Fukuda, Hiroshi Ohno, Shizuko Ichinose, Hisashi Miyamoto and Hiroaki Kodama. (2015) 
Bacillus hisashii sp. nov., isolated from the caeca of gnotobiotic mice fed with thermophile-fermented compost. 
International Journal of Systematic and Evolutionary Microbiology 65: 3944-3949. 

Pramad P, Tashiro Y, Miyamoto H, Miyamoto H, Okugawa Y, Sakai K. (2015)
Direct starch fermentation to L-lactic acid by a newly isolated thermophilic stain, Bacillus sp. MC-07.

Journal of Industrial Microbiology & Biotechnology
42: 143-149.

Poudel P, Miyamoto H, Miyamoto H, Okugawa Y, Tashiro Y, Sakai. K. (2014)
Thermotolerant Bacillus kokeshiiformis sp. nov. isolated from marine animal resources compost.
International Journal of Systematic and Evolutionary Microbiology 64: 2668-2674.

Miyamoto H, Shimada E, Satoh T, Tanaka R, Oshima K, Suda W, Fukuda S, Nishiuchi T, Matsuura M, Mori K, Miyamoto H, Ohno H, Hattori M, Kodama H, Matsushita T. (2013)
Thermophile-fermented compost as a possible scavenging feed additive to prevent peroxidation.
Journal of Bioscience and Bioengineering 116: 203-208.

Miyamoto H, Seta M, Horiuchi S, Iwasawa Y, Naito T, Nishida A, Miyamoto H, Matsushita T, Itoh K, Kodama H. (2013)
Potential probiotic thermophiles isolated from mice after compost ingestion.
Journal of Applied Microbiology 114: 1147-1157.

Tashiro Y, Matsumoto H, Miyamoto H, Okugawa Y, Pramod P, Miyamoto H, Sakai K. (2013)
A novel production process for optically pure L-lactic acid from kitchen refuse using a bacterial consortium at high temperatures.
Bioresource Technology 146: 672-681.

Satoh T, Nishiuchi T, Naito T, Matsushita T, Kodama H, Miyamoto H, Miyamoto H. (2012)
Impact of oral administration of compost extract on gene expression in the rat gastrointestinal tract.
Journal of Bioscience and Bioengineering 114: 500-505.

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